イベントの宣伝と広告物
当ホールは自ら演奏会をやりたいがために設けたものではない。不動産賃貸の一環に、世の中に潤いをと言うことが加わってのものである。演奏会などをやろうとしても、宣伝の手段がない。百名少々のホールだからと言っても集客は簡単ではない。そんなことで、地域に自ら掲示板を設けている。
ある人からこんな事を聞いたことがある。「70人位までの集客は親類や知り合いで何とかなる範囲である。それを超えると一般客も必要になり難しくなる。大規模なら宣伝費用も使えるので、それなりに容易になる。100前後は難しい」と言うものである。
この両線の乗換で人が行き交う途中に、行政設置の市唯一(?)の「音楽掲示板」がある。こんな経緯から出来たもので、地域の人が活用している。行政設置だがこんなものは小活動にとっては有り難いものである。
設置経緯だが、
- 区役所主導である音楽団体が設けられた。音楽好きの区役所管理職が居たからである。
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ある会合が持たれたときに、ある人からこんな発言があった。
- 力の弱い巷の音楽団体や愛好会がある。一生懸命文化を促進している。
- ポスターなど掲示してお知らせしたいが、その場所がない。
- 力がないので、広くお金をかけた広報もできず、良い場所として駅などに無料のものが欲しい。
- 駅に掲示をお願いすれば、1枚で週で1万円などとなり、小さな団体の予算ではとてもまかなえない。
- 行政で無料掲示板を設置できないだろうか。
と言うものである。これは、その人の発想ではなく、その人が「ある会合で人が訴えていたのを覚えていたもの」である。
- 会合に出席していた委員が全員賛成し、区役所が動くこととなった。
- 区役所に音楽好きの管理職が居たことと、丁度市として音楽活動強化をスタートした直後だったので、タイミングが良く、区役所での余り予算のかき集めが行われ、何とか予算が確保できた。
- 駅広場の管轄は鉄道業者または市である。鉄道業者所有部分は当然有料である。市の管轄の部分なら無料であり、そこに設置する必要があった。
- ところが、区役所は場所は本庁管轄だから設置できないという。同じ役所内なのだから調整するよう要求が出され、市で調整の結果、無料の場所に置けることとなった。
- 文化掲示板にしたいという意見も出されたが「音楽」を使わないと通りにくいという区役所意見で音楽専用の掲示板となった。
- 掲示の許可基準や掲示の面倒見は誰がするのかとなった。基準などまともに検討すれば、役所仕事だからこれだけでも結構な文書量になり「気軽にダイナミックに使いたい」という現実にそぐわなくなる。そこで、基準は極めて簡単にして区役所の管轄部署の管理者と担当者の常識判断を主体として掲示許可を出すことにし、区役所管轄で掲示することとした。
- 他の区の駅にもできると良いね、などとは話していたが市内でこんな結構なものは1個所だろう。
こんな掲示板が出来たので、小イベントの宣伝も随分と楽になったように感じている。以下は、我がホールの宣伝活動の経過だが、上記掲示板のおかげでやめることができたものもある。
- 建物の前部横には建築当初から掲示板を用意していたのだが、それでは不足である。最初は、駅にある鉄道管理下の掲示板の使用料を調査してみた。駅の格により違いはあるとは言うものの1週間で1万円前後、数ヶ月数カ所の駅など考えたら小さな演奏会の費用など、それだけでなくなってしまうので諦めた。
- そこで、自ら掲示板設置を考えた。近場の駅付近や近場に所有地や建物があったので小さな掲示板を設けた。5個所ほどだった。これらは今でも維持し活用している。一時は、銀行などの支店に依頼していたこともある。
- 地域で実施される音楽会に何回か街頭でのチラシ渡しに出向いたこともある。しかし、音楽会の内容にもよるだろうが、数回の実施で「チラシの打率は1%よりはるかに以下」と言うことがわかり、費用も無駄・時間も無駄・資源も無駄と言うことでやめてしまった。
- 行政の一般掲示板を無断で利用させてもらったこともある。行政が掲示板を持っている場所を調査して一人は運転手、一人は貼り役で軽自動車で貼りまくる。50個所程度、一個所一人でも来てくれればと思いながら貼りまくるのだが打率は、場所にもよるのだが平均すれば一個所で1枚にもならないだろう。良い場所ほどはがされてしまう。これも最近はやめてしまった。
- 町会が持つ掲示板などは町会長にお願いしている。その都度ではなく、気の良い町会長は空いていれば良いよと言ってくれているのだが、最近は余り利用していない。
- 行政はチラシの配付場所などももっている。これらは今でも利用しているのだが、手続きが必要である。断られる場合もある。
それは当たり前の事なのだが、こんな不満もある。我が音楽ホールなどが知れてくると行政はどんどんと彼等が実施するイベントのポスターやチラシを送りつけてくるのである。「送るな!当方ではやたらに送られても小ホールで貼る場所がない」と言って、一旦停止させても担当者が変われば元の木阿弥である。こちらも手続き要にしようかなどと冗談を言っている。こちらは置ける場合は、うるさいことを言わずに置いているのだから、いずれからかってみようと思っている。
- インターネットのホームページ活用は1990年代の半ばからだから、2012年現在でもう15年以上にもなる。効果は不明であるのだが、自作のホームページでプロバイダーに支払う経費は月額3千円程度だから、利用し続けている。
ホール開業後20年も経過した今になっていくつか実施したことがある。建物の前に「建物の紹介掲示板と音符マーク」を設置したことである。立ち止まり見て行く人が居る。