東日本大震災と影響
3.11ホールは稼働していなかった。当方は震源地から300キロほどの距離、ベタ基礎(杭を打たず地面に基礎を乗せている)地下1階、地上6階(5.6階は一体として倍の天井高を持つホール)の鉄骨・鉄筋の建物である。設計時から寸胴構造を指示しており、均等に同じ強度が保たれている程度は気にして設計し、建築している。地震などの際には地面と一緒に揺れるビルである。東日本大震災では当地は震度5強だったようである。と言っても揺れ方は、建物特性・地盤特性などで様々であったはずである。
被害状況だが、
- 1階の酒店の酒ビンは1本も棚から落ちず、
- 2階の事務所も何もなし、
- 5階のホールに飾ってあった花瓶が落ち、取っ手が壊れた程度、
- 3,4階のテナントでは何か多少はあったのかも知れないのだが、特に何も言ってこなかった、
- 翌日建物回りをチェックしてみたが、何も問題は発見できなかった、
と言うことで、翌日朝から余震の中で利用されはじめていた。ただ、エレベータ保守者には「ホールなので早く動かして」と翌朝催促して来てもらった。
私は第一波は、ビルに帰る50メートル手前で受けた。のんびり歩くと歩きにくいのでピョコピョコ歩き、ビル前に来たときにはピークは過ぎていたと思えたので、ビルに入っていった。電線がブンブンと唸りをあげていた。妻達は飛び出してきた。テレビをつけ状況を把握しようとした。第2波中はテレビを見ていた。後で「あんな時に」と笑われたのだが、ビルの安心度には「この程度なら(ビルが壊れるはずはない)」と信頼を持っていたからである。
利用者にはこんな人が居た。
- 気にせず使う方(これがほとんど)、
- 利用は数ヶ月や半年も先なのに、心配と開催を中止した方数名(中には「大丈夫でしょうか」と聞いてきた人も居たのだが答えようがないのは当然である)、
- 予定していたホールが使えなくなり、当方に利用を切り換えた数名の方、
とこんなことだった。
こんなことだったが、
- 最上階のホールで、ここが壊れるようなら、世の中中大惨事、私は日頃「地震だ!とうろたえているようなものは考える余裕があるものだから大したことはない、うろたえる余裕もないものだったら大変だ」と言っている。
- 利用中などであったならば「慌てず揺れが治まるまで動くのは待っていただくことにしよう」と申し合わせた。
- 近場の大きなホールでは天井が大きく落ち、人が居たならば大惨事と言うところもあったのだが、当方の天井は金網張りなので何もなかった。この大きなホールだが、天井構造その他が原因などと言われている、しかし私は「根本問題は共振」であると思っている。中空の巨大な建物だからである。客待ちをしていたタクシーの運転手が「隣接する建物に比較して異常に揺れていた」と言っていたのを又聞きしたからである。建物のダンピング構造をどのようにするのかが根本対策のはずである。