ピアノの内部奏法

 開業後20年もして、こんなことがあった。

    演奏家には、極めてアバウトな人も居る。と言うより、量産製品の設計に携わってきた私には「世の中アバウトなことばかり、アバウトな人ばかり」である。まあ、一般人は仕方がないことだろう。


  1. 仮に何を言ってきても上は変わらないから、第2段階のお断りも当然なのだが、「では何を」とは何も言ってきていないので更に疑問を増すばかりである。

  2. こんなことを当方の調律師に話したところ、
    「ホールの方針で、内容を問わず、内部奏法は禁止です、と即断するのが一番です。早い話一度許可出すと、そう言う事はすぐに周りに広まります。念の為。なぜなら、こういう奏法は、自己顕示を狙いしているからなのです。」と言う話しをいただいた。

  3. ホールもそうなのだが、100%の人に利用してもらおうとも思わない。100%の人に気に入ってもらおうとも思わない。そんなものはそもそもない。ピアノの利用も同じことなのである。当方には2台のピアノがある。1台は外国製、もう1台は国産である。前者は心配と思われる演奏者にはお貸ししないことにしている。

  4. 行政管轄のホールなどでは、こんなことを許可する場合もあるだろう。何故なら、彼等にはあまり責任感というものもなく、害も考えない。弦が傷んだら変えればよい、自分の懐は痛まない(税金は使われるのだが)などがあるからである。あるピアノ調律師からこんなことも聞いたことがある「10年もすると公共ホールのピアノは傷だらけなどがたがたですよ」と言うことなのだが、これもこんな精神からそうなるのだろう。