協力者
ホールを開業した当初から、年に何回かコンサートを実施していた。我々夫婦の年齢から、いつまでも続けられないのはわかっており、当初から「誰か取り巻きが出来てくれるとよいね」などと話していた。しかし、一向にそんな気配はなかった。
前述の「ある団体」の総会時に、偶然だがローカルに、
- こんな活動をだらだらやっていても意味がない、
- 団体を市の各地に支部として拡大して、支部独自のオリジナリティーで活動する方向もあるだろうが、そんな方向には行きそうもない、
- それなら、狭い領域をカバーする団体でも作ってしまった方が早いだろう、
と言う話になった。こんな話をしていたのは5名ほどで、音楽専門化・専門家ではないが音楽にかかわる仕事をしているボランティア2名、サポート老人1名(これもボランティア)、と私だった。私もボランティアの気持ちで参加する。それではと早速会合を持ちはじめたのだが。整合は結構難しかった。
何で難しかったのか、それは、
- ボランティアは所詮ボランティアだから、危険で赤字を伴うような演奏会の開催などは避けなければならない、赤字を伴わない安全な範囲でのトライアルを目指さなければならない、それでなければ永続しない。
更に、演奏会開催にしても、その都度皆で検討し合意がなければ実施すべきではない、と言うことが主張だった。
- ところが、専門家は多くの演奏家を知り(と言っても一部だが)自己実現狙いの人だったので、自分が認めるものでないと「そんなものは演奏会ではない」とボランティアの企画を否定したのである。彼は、会の仕組みや狙いが決まる前から「あれをやろう、これをやろう」と具体的な企画を持ち込んできたので、逆に私は「それは全員で決めるもの、貴方がやりたいものを強く主張するなら、それは貴方個人でやるべきもの、ボランティアが協力するかどうかはその人個人の考え次第で会として縛れるものではない」と否定したのである。ボランティアは彼の下請けではないのだ。
- 何回かこんな議論をした結果、結局ボランティアだけで会を立ち上げることになった。
演奏家の考えは否定するものではないのだが、それは彼の個人仕事である。
私は、最年長だが間もなく70歳今更しゃしゃり出る年齢でもない、ただホール持ちだからホールの提供や当日の手伝い(ホールオペレーション)での協力はできる。と言うことでホール持ちのボランティアとして、他の人の支援役として活動することにした。こんな結果、私の妻を含む女性3人の中心が決まり、その後活動を開始することになったのである。
- 設立して3年既に十数回のコンサートを実施、
- 女性3人での和気藹々とした検討や推進
が行われている。ホール開業時から思ってきたことが20年近くも経過して、やっと叶ったという思いである。