惚け老人への防御
我が家の惚け老人への防御というものを示してみよう。惚けがはじまる前からである。
- まずやったことは、私が40歳代の半ばのことである。義父が他界したので、義母から実印や権利書など要求し預かったことである。他に仕事をしているので、義母にあれこれと説明し承認を得ている暇などない。説明してもメモを取るわけでもなく忘れてしまう。そこで、自由にそれを使えるように要求し、実現したのである。結果だけは報告するようにした。預かり時には「婿がこんな事を言ってきた」と親戚に相談に言ったのだが、親戚から「(やってもらうのだから)仕方がないだろう」と言われたようである。頭も回転するちゃきちゃき義母なら私はこうはしなかっただろうし、そのような義母なら自分でやっただろう。まあ、権限委譲である。
- 次に実施したことは、全くの無趣味でテレビ漬けになっている義母に妻が、これでは今後問題と感じ「趣味を持たせた」ことである。70歳くらいになっていた段階である。新聞もテレビ番組欄をみるためにとっていただけである。
- 次は、私と義母別々にあった郵便受けを一つにしたことである。当初は抵抗されたが、一つにしてしまった。郵便物は全部こちらの目を通してからの手渡しとなるので、裁判所まがいを語る団体からの嘘の訴訟郵便物、建物の改修詐欺、いかがわしいものからは全部何事もなくブロックできた。
- 次は、二度ほど欲しいと購入したが、買っても使う機会もほとんどなく、使えもしない携帯電話を取り上げ解約したことである。
- 次は、通帳だけは義母に持たせ、印鑑は全部妻保管、カードは妻が全部廃止、としたことである。振り込め詐欺に引っかかりそうになって、通帳だけ持って息せき切って銀行に行ったこともあるが何も出来なかった。
こんな風にしてじわじわと全部を物理的にブロックしてきた。それが出来るレベルの義母だったと言えるだろう。
妻は日常義母を「こんな事件があったので、この家にも来るから」と義母をおどし続けている。惚け老人は、自己防衛心だけは強いから、電話がかかると必ず報告に来る。
最近は警察が「振り込め詐欺が多発しているから」と惚け老人の義母に電話をかけてくる。義母は不審な顔をして報告に来る。
しかし、このような行動をしている警察には疑問を感じる。
そもそも老人になり惚ければ正常な判断はできなくなる。
- 従って、悪から物理的あるいは人的にブロックするしか方法がない。
- 人的なブロックだが、身内でも弁護士でも悪い人はいる。
- 完全なブロックとは物理的にもブロックし、身内にも安心な人が居てブロックできる場合に限られてしまう。後は全部不完全ブロックである。
こんなことなのだから、警察が電話を惚け老人にかけてくること自体ナンセンスで、一体警察はどの程度の頭なのかを疑ってしまう。かける相手は子供などで、完全なブロックの在り方を教えることなのではないだろうか。
ついでだが警察ではこんなこともあった。ある会合に警察官が来て「飲酒運転をしないよう組織内に働きかけて欲しい」と言う。飲酒運転で多額な罰金を取られたと聞く世の中に既になっているので「これだけ罰金が厳しくなっているのに、まだ飲酒運転するのはアルコール中毒などの病気なのだから、病院送りしなければならないだろう」と言うと「実は警察でも最近そのような意見が出始めている」と言う。取り締まりの専門組織がそんなに考えが遅れているものかと呆れてしまった。
義母のようならば良いのだが「子供の言うことを聞かない老人は、騙されるだけ騙されて、あの世に行く」しか方法はないだろう。子供が馬鹿でも駄目である。
最近私がひとまとめにして「老人産業」と言っているものがある。振り込め詐欺・健康食品販売の一部・商品販売の一部(例:布団)などなどである。