- 世の中の人は良く知っている。「何はこう言うことで、いくつだから大丈夫」などとやっている。私は自分が余程悪いものにしか興味がない。γGDPなんて言われても何のことだかわからない。
とは言え、72歳になったある時、そう言えば「範囲の定め方に疑問を持ったことはない」、しかし考えてみると中身はわかっていない、知る必要がある。世の中の人も「いくつだから大丈夫」なんて言っているが、ほとんど中身はわかっていないと思った。感覚的には70%位の人がこの範囲に入っているのだろうと思っていた。
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そこで、病院に行ったついでに、大手難関大学病院の内科の先生に「値がいくつからいくつの範囲だから大丈夫というような判定をしていますが、あれは正規分布などの分布ですか」と聞いてみた。先生は「さあ、何でしょうかね」などと言っている。家に帰ってインターネットで調べると学会の論文が出てきた。理解が正しければこんな風である。
- 正規分布である。
- ただし、人の特性は綺麗な正規分布にはならないので補正をしている。
- 2σ(シグマ)を正常範囲としている。
ということであった。
これは、こんなことを意味している。
- 2σと言うのは、大体2.5%の人が上下に外れる値である。上下合計で5%である。
- と言うことはギリギリに入っていると言うことは100人の人ならば3番か98番かと言うことである。
- 入っていない人は、1,2,99,100番と言うことである。
ということであった。
- これを知ったらどう思うだろうか。個人差もあるだろうが、安心するだろうか? 危機を感じるだろうか? 自分の場合は、裾野末端部分が甲状腺ホルモンにあり、ギリギリ部分も少々あるのだが、まあ年齢だからとあまり気にしていない。
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ついでに正規分布について説明しておこう。
- 何事にも平均値・バラツキがあり、それをグラフで表すと富士山のような形になる。ただ上は角はない円状のなだらかな形である。
 図はちょっと急峻な富士山だが押しつぶした形をイメージしてもらえばよい。
- あるところから富士山を平面的に見る。中心部から左右に同じ距離に縦線を考える。例えば富士山の高さが3.7キロ、左右の幅20キロとして、中心の10キロから9キロ離れた左右に縦線(2本)を引くことをイメージして見よう。
- (平面として見ているので)中心を含む両方の縦線間の部分の面積がある(面積Aとしよう)。縦線から裾野の端までの残された面積が両側ある(面積Bとしよう)。
- 当然A+B=100%である。2σというのは大体中心から9.5キロのところに縦線を引いたことを意味していて、A=95%なのである。Aを正常と言っているのである。
- 正規分布だが、ガウス分布とも言われており、基本的な分布である。これは基礎的な二項分布という離散的な数値(1,2,3・・・n)のものを、連続的数値なものに変える数学的な操作によって得られるものだが、理解は結構難しい。代数で実施しようとすると確率・統計・微分・積分・近似などを振り回さないと理解できない。だから、大学の理工科系でもはしょってしまい。利用するだけになってしまう。最もガウスは、微積分などがない時代にこれを幾何で求めたと言う。
- 教育ママやパパは、偏差値!偏差値!と言うが、これは全く正規分布を言っているのである。問題が難しければ点数のバラツキは平均点を中心にして100点から0点まで大きくなり富士山はなだらかになり、やさしければ点数はある値以上に集中してしまうから富士山は急峻になる。
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