健康診断
- 40歳頃、忙しさで年がら年中胃腸が悪く医師にかかっていた時期があった。そんな時に医師から「医師の私がこんなことを言うのはおかしいが”私は「健康診断は信用していない、一番よいのは専門の科にかかることである”と言われた。
- その時思ったのは「当然だろう、通り一遍の上辺の健診ではかなり悪くならない限りわからないだろうから」と思うと同時に「そうは言え、若く忙しい時期に軽い症状などでいろいろな医師も回り歩けない」とも思ったものである。
- 50歳頃までは勤めていた企業での集団検診、50〜65歳位までは自営業になったので商工会議所などの集団検診、以降は大病院での健康診断や希には市から来る健診通知に近場の医師へとなっている。
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ただ、70歳を過ぎた最近、結構なお金を払う大手病院での健康診断にそれだけの意味があるのかには下記のようなことから疑問を持つようになっている。
- 健康診断では大きな異常はわかる意義はあるのは前述のごとくである。それでは手遅れや大手術や大きい後遺症などとなるだろう。
- ただ、軽い異常を発見しても”専門の科に行きなさい”と指導はせずに、問題の指摘に終えてしまうことが多いようである。患者自身が放置すればそのままである。
- 血液検査などで「××が幾つから幾つの範囲なら正常」などと書かれている。ある時に大手病院の医師にその根拠を「正規分布なのですか?」と問うと「知らない」と言われてしまった。
早速家に帰ってインターネットで調べてみた。ある学会のレポートがあった。私の理解が正しければ「正規分布、ただし要素により偏りがあるのでその補正をして、2σの範囲は正常と見なす」と言うようなことだった。これは簡単に言えば100人の内上下にはずれた2.5人計5人を異常と見なす判定である。はずれたら「自分は100人の中の?の2.5人」と思えばよいのである。まあ、気にしなければならないだろうし、範囲内とは言え近場の人も同様だろう。
- 私のように間もなく後期高齢者という年齢になると、既発見の病気あり、その他に病気まがいのもの、が増えてきて専門医にかかりはじめる。そうなると健康診断は、その他何があるのかを発見することに意義があることになる。健診で観てもそれ以下のレベルで観ているのだから、既発見で治療中のものは観なくてよいのである。ところが健診は所詮漠然と観ているに過ぎない。
- 健診を受けるとしばらくして医師の面接がある。ところが、面接医は全部をカバーするのは無理である。偏った面接になっているように思う。
こんなことで、最近は「まちの医師での健診で十分?」と思いはじめている。
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発見医の対応を考えてみると、
- 64歳時の前立腺癌の発見は、町の医師からこんな検査もありますよと言われ偶然発見(言われなかったら絶対に数年以上は放置)、癌の疑いが高まっても病院を紹介しましょうかと言わないので「私は知らないから紹介して欲しい」と要求したら、紹介してくれた(でも、後日もっとよい病院に転院)
- 甲状腺の亢進は多分私の我慢のし過ぎである。六十代後半のある梅雨時に身体が非常にだるい期間が3週間ほど続き、このままでは医者行きと思っていたら、梅雨が明け暑さでだるさも忘れてしまった、その後はだるさは麻痺してしまった、と言うことなのだろうと思う。半年後の大病院の血液検査で異常を知らされた。
- 高血圧だが、前立腺手術後少々高くなったようだ。130台が140台にと10程上がっただろう、肥ったせいか加齢なのかはわからない。そこで先生に自己申告で「そろそろ降下剤」と言ってもらいはじめた。そうしたら2年もしない間に147までは高血圧とは見なさないという判断基準となった。私達が子供の頃は年齢+90と聞いていた。今飲むのはやめている。私の場合、副作用として血液循環の悪化→唾液の減少→腔内の異常などと自己分析しているからである。
- 脂肪肝・肝臓の血管腫と言われたが、一応精密検査してみたらとは言われなかった。検査申請して実施したら年配者にはあること経過観察と言われたが、その後3年何もしていない。
- 加齢黄斑変性は71歳頃、眼に黄斑ありと言われたのだが「経過観察した方がよいですよ、その結果必要なら治療も」とも言われず、症状は通常は感じないほど軽いので2年程放置、緑内障も白内障も一度も検査したこともなく、今やっと自ら病院に出向き経過観察中、しかも黙って居たら医師からは2ヶ月間隔を指定され続けるので、症状も生活に影響ある範囲ではなく、変化も少ないようだし、病院も忙しく申し訳ないからとこちらから観察インターバルの妥当性を聞くと「では半年間隔にしましょうか、異常があったらいつでも来て下さい」となった。
- タバコをやめろ、とは何回も言われている。最初は前立腺癌発見時である。先生に「免疫力低下防止ですか」と聞くと「さあ?」と言っている。痰には白血球の死骸ありと聞いているので、タバコは免疫力に影響があるとは思っているので、そう聞いたのだが先生から明確な答はないので吸い続けた。ただ、本数は減り、ニコチンが軽いものにはなっている。理由は加齢とともに痰が多くなり、自然に多くは吸えなくなった自然減である。
- 軽度の肺気腫と73歳の時に健診で言われたのだが、何の指示もない。1年後になって、一応精密検査しておくことにした。ただ、日常ある主の自己観察はしている。これで一番疑問なことは「肺気腫になると痰や咳がでる」と書いたものは多く見かけるのだが「なで出るか」は見たことがなく、今「こう言う理由からだろう」と勝手に理由付けしている。
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こんなことで発見医の対応は必ずしも先(治療)などに積極的ではないように思える。更に考えてみると、医師もこんな状況で、それも無理ないのだから患者自身がしっかりしなければならないのだろうと思う。患者が呆けていたら、適当な治療しかできないはずである。世の中はそれでよいのかも知れない。
- 一人の医師がすべての分野のスーパーマンではありえない。
- 不特定多数の患者を相手にしているので、一人の患者に対して避ける時間も少なく、念入りに考えられない。
- 同じような病気とは言え、患者の体質により症状には違いがある。
- 病院などは多忙で、そこまで積極的にカバーしてしまうと大変なことになるのかも知れない。
などである。
- こんな事を書く私は異常なのかも知れない。でも私の性格である。病院や先生を馬鹿にしたり、悪く思っているわけではない。いろいろな病気が加わる度・いろいろな病気をテレビなどで見る度に、生物とは如何に複雑・微妙なものかを実感しているからである。