その後の自己観察
手術前に多少、手術後に益々疑問に思ったりしていたことで「こうではないか?」と思うことが増えてきた。そんなことを記述してみる。どこかにも書いたように私は勉強家や努力家でもない。術後の外来で病院を訪れたときに、売店におもしろそうな単行本的なものが置いてあるので、前立腺癌とは直接関係はないが買ってきた。それを読みながら、勝手に理解したつもりのものもある。
《手術後の足のだるさ》
- 状況;手術後3日ほどから足のだるさを感じ始め、手術後10〜20日程経過した時に(退院していた)は大きなだるさを感じていた。その後だるさは減ったが、数ヶ月後の寒い時期に、夜だるさのあまり起きふくらはぎを揉むような状態が10日ほど続いていた(術後4ヶ月位)、これも術後半年ほどでかなり改善された。
- こうではないか?;リンパ節を除去した、リンパ節に転移は無かったとお医者さんからは聞いた。リンパ節の機能は知らなかった。身体には循環があって血液の流れ系と老廃物の排出のためのリンパ系があることを知った。リンパ節をとれば何かの影響はあるのだろうと思ってインターネットで調べてみたのだが、インターネット程度ではあまり具体的に知ることはできなかった。
本には「リンパ節」を取れば、当然老廃物処理の能力は落ちるのだからと言うことが書いてあり、それが足のだるさにつながっているように思いはじめた。子供の頃から足のだるさは感じていたので、私の特性であるが、術前とは少々違うように思える。もう65歳を越えているし、最近の運動はせいぜい小犬相手の散歩とゴルフ程度、数年前は小走りゴルフもあったが、今はそれはない。まあ、今後あまり激しいことはしないだろうし、しないようにしようという程度の思いである。
《手術直後;寝た状態で足を伸ばしながら上げようとしたときの足の付け根の筋肉痛と足が上がらないこと(左足だけ)》
- 状況;手術後翌日は発熱で動かなかったが、その翌日から動き始めた。ベッドを下りたり寝たりするときに左足を伸ばしたまま上げようとすると少々の痛み(寝ているときの痛みはない;我慢することが出来る程度)がある上に、力をかなり込めないと伸ばしたまま左足を上げることができなかった。いい加減な話なのだが「ベッドの方向が自分の家と逆なものだから、最後にベッドに乗せる足も逆になり、知らない間に以前からこんなになっていたのか??、手術の影響なのか?」となった。1週間ほどで痛みはなくなったが、足の上がりは悪い、しかし、これは徐々に快復し、術後4ヶ月ほどした段階では快復し意識しなくなった。
- リンパ節を除去すれば、周辺の神経や筋肉を当然ある程度痛めるのだからという文面があった。そんなことでリンパ節除去した、左足付け根だけ術後痛みがあり、左足が上がりにくく、退院後歩行すると左が弱いので、右に回りにくい現象がでたことを理解できたような気がする。
《便通のよさ》
- 状況;もともと便通はよいのだが、明らかに一層良くなった。
- これもリンパ系との関係のように思える。リンパ節を大幅に除去すると(多分水分処理が落ち)、むくんだり下痢状態になり衰弱してしまうことがあるようである。ちょっと処理能力が落ちたから、間接的に大腸からの水分吸収が落ち(浸透圧?)便に水気が増え便通が良くなったのだろう。下痢はないが気持ちよいほど一気に出る。
何もかもリンパ系の感じである。このような説明は、いろいろな治療の選択肢の最終判断前に病院から何らかの資料提供が欲しいところである。でも、それでは手術をいやがる人も出るかな?放射線などに逃げられて、外科系の先生は仕事が減って困るかな?でも、放射線もいろいろな影響が出る。
私のリンパ節除去は少ないだろうから、この程度の体調変化である。多くを取られた人の苦痛や後遺症はいかほどのものか、尋常ではないように思われる。
《予想通りのもの》
- 《スメグマ》予想通り全くなくなってしまった。そんなことで亀頭は手術前より綺麗である。前立腺と亀頭は尿道1本だけではなくある程度の太さの接続のように思える。なぜならば、スメグマなどの老廃物は尿道の外を通過し亀頭に達すると思うからである。であるから、前立腺除去は骨盤底筋の一部と思えるところもいじらなければならないように思える。そうなれば失禁が発生するのも理解しやすくなる。
- 《尿の出具合》前立腺がなくなり、途中の抵抗が減ったので出具合は大変良い。力を入れて強く出すと、流量で亀頭が痛く感じる程である。
《勃起能力》 今更という年齢で生活には何の問題もなく、ちょっとだけ寂しい気持ちだけなのだが、以下を記述しよう。
- 病気発覚前から、勃起能力は落ちていたのは自覚している。長持ちもしない。これは、まあ年齢だろう。
- 最初の病院でカソデックスという錠剤を最初に2週間分もらった。飲み続けている内に能力が多少落ちた感じはしたが、「落ちたかな?」と言う程度で極端ではなかった。
- その後、カソデックスの継続と同時に「LH-RHアナログ」のカプセル注射を受けた(結局1回だけになった)。これで、即能力が一瞬にして完全に落ちた。落ちるとは言われたが、完全に落ちるとは言われなかった。しかし、転院後の先生に注射の有無を聞かれたので「打った」と答えると「あれを打つと完全に落ちる」と言われ。その通りと思った。カソデックスは手術前まで3ヶ月飲んだ。
- カソデックスを飲み始めて2ヶ月少々経過した9月頃から、ちょっと動くと身体がほてり熱くなり、といっても汗が出るわけでもなく、ちょっと静かにしていると戻るような状態が起こるようになった。妻に話すと女性の更年期障害のような状況らしい。これは、術後も2ヶ月ほど続いた。術後、夕食中に晩酌をし食事をしている途中に急激に熱くなるのである。10月の術前まで薬を飲んでおり、その後3ヶ月ほどはこんな状態が起こることがあったのだが、その後はほぼなくなった。
- 手術では片方の神経は残せたが、術後約7ヶ月勃起能力はない。ただし、朝方など尿が溜まっているときに、少々伸びて太くなっているという程度である。永久にこうなのか、薬の影響がまだ残っているのかはわからない。睾丸は明らかに小さくなった。
《その他》
- 痛みは、月に数回程度一時的にチクリとする事がある程度。子供の時に手術した盲腸などのあとが大人になっても痛むときがあると言うから、気にしていない(私は盲腸手術はしていない)。
《今も残る疑問》
- 睾丸より精嚢に精子を送る精管の処理?男性の避妊処理で管を縛るのがあったが、同様な処理なのか?
- 歩き続けると、股関節の潤滑油が早めに切れるような感じになっている。これも、リンパ節除去からの老廃物処理機能の低下から来るものかも知れない。
- 股関節が硬くなったような気がする。座布団に座るなどが急に一層苦痛になった。単なる老化ではないような気がしている。
- 長く椅子に座ってなど居ると、あるいは時々、足の感覚が鈍いと感じるときがある。そのような時には、歩いていて地面をしっかりとつかまえている感じが以前より少ないのだ。軽いしびれなのかも知れない。ゴルフ程度の運動にはほとんど支障はない。これもリンパ節除去から来る老廃物処理の影響なのかも知れない。足がむくんでいるという風には感じない。