パソコンシステム

 私はコンピュータの専門家ではない。だから正確には理解していない。しかし、こんな風に理解すると素人でも勘が働くように思われる。以下の記述は誤っているかも知れないが、それは各々が修正して欲しい。正確なところに辿り着く早道や手助けにもなるかも知れない。 
まず、一連の操作と状況を示す。

PC操作 PC
システム パソコンは本体とディスプレイから成り立ち、本体はCPU、RAM、HDD、DVD driveなどから成り立っている。HDDにはすべてのソフトウェア(プログラム)や作成したデータが格納されている。
    周辺装置には多種多様なものがある。
  • プリンター
  • スキャナー
  • ネットワーク機器(有線と無線)
  • 外付け機器(HDD、DVDやBD driveなど)
本体構造 パソコン内部には、CPU(Central Processing Unit:中央処理装置)、RAM(Random Access Memory:どの場所でもランダムに読み書きできる記憶装置)、HDD(Hard Disc:ハードディスク:ある順序で読み書きできる)が主要要素としてあり、その間をバス(Buss:バス)という接続線がつないでいる。実際にはこんな単純ではないのだが、基本的な説明としての要素である。 家があり、家の外に倉庫があり、勿論何かする人が居る家、かつ家には丁度も道具もなく土台と柱と屋根と外壁だけ、何をするにも外の倉庫から道具などを取りだして仕事をして、何かをしたら道具も成果物も外の倉庫にしまわなければならない家を考えよう。
追加説明 CPUと言うのは「家で労働する人」である、RAMは「家の内部空間」、HDDは「丁度や道具や仕事の手順などが全部納められている空き部分がたっぷりある外の倉庫」である。労働する人は一人しか居ない。
電源を入れると HDDの特定の場所から、OS(Operating Software)をRAMに読み込みはじめ読み込みを終える。終えるとパソコンが立ち上がったことになる。読み込んでもHDDには元の情報が残っており、コピーと言える。マウスの操作、デスクトップの表示、周辺装置の状況などを含み、後のアプリケーションソフトウェアの作動に必要なすべての準備を整える。 家に共通的・基本的なものの設置をする。水道・電気・ガス・台所・トイレ・ゴミ施設などかも知れない。
何かソフトを使おうとする 更に、HDDよりRAMにアプリケーション・ソフトウェア(AP:ワープロなどのプログラム)の読み込みを開始し終了する。これで、する仕事の準備が整うことになる。ソフトウェアやそのデータが利用するメモリー量(RAM領域の確保)設定なども行われる。読み込んでもHDDには元の情報が残っており、コピーと言える。 家の間仕切りをして、必要な丁度や道具や材料や手順書を持ってくる。これで、仕事環境が整う。
APを操作すると キーボードやマウスからの指示(APの操作)がAPに伝えられ、APよりの命令を受けCPUが仕事をし、書類などの作成が行え、成果物を生成する。 確保された部屋。丁度・道具・材料で人が成果物を生成するために仕事をしている状態である。
APを終了する 成果物はAP終了前に「保存」指示をするとHDDに格納される。この時点では、成果物はRAMとHDDに二重に存在している。
APを終了すれば、RAMに読み込んだもの(プログラムや成果物)はすべて消えてしまい、成果物はHDDだけに残ることになる。
成果物だけは外部倉庫に保管し、確保された部屋。丁度・道具・材料はすべて廃棄してしまう(廃棄してもHDDには存在している)状態である。
電源を切る もし、終了していないAPがあると、まずこれを終了し、次にOSの終了を行う。これで、停止状態になる。 家で言えば、倉庫から持ってきたもの、生成したものをすべて倉庫に保管し、何もない元の家に戻ることになる。

こんなことも知っておくとよい。
PC操作 PC
複数のAPを起動している RAMの領域に複数のAPの領域を確保して、切り換えながら仕事をしている状態である。 複数の異なる仕事部屋(勿論、丁度・道具・材料なども)を用意して、一人の人があちこちの部屋を飛び回りながら仕事をしている状態である。ある部屋で仕事をしていれば、他の部屋の仕事は一時中止となる。
仮想メモリ また、APを起動するとプログラムやデータでRAMは占有されて行く。複数のAPを起動すれば、更に占有されて行く。このようにRAMはどんどんと埋まって行く。RAMが一杯になってしまうと、仕事は出来なくなる。それでは困るので仮想メモリー(Virtual Memory)と言う方法が採られる。RAMが不足する場合、HDDをRAMの代わりに使う方法である。しかし、遅いHDDに待避したり、取り出したりしてRAMの肩代わりをすることになるのでコンピュータの動作は遅くなってしまう。
速い処理を望む人は、極力適切な規模のRAMを搭載し、CPUとRAMだけでの作動を心掛けなければならない。知らない人が「動作が遅い」とこぼしている場合だが、RAMが少ないのが原因の場合がある。
家で言えば、もう部屋をとることが出来なくなった状態で、倉庫に成果物を一時預けしたりしている状態である。
昔のPC 昔のPCはRAMの規模も小さかったので、沢山の機能部屋は持てなかった。今使っているAPを終了しなければ、別のAPは使えなかった。 昔の小住宅では、朝起きると布団を押入に片付け、テーブルなどを出し食事し、食事が終われば主婦が主婦仕事、・・・・夕食が終わればテーブルを片付け、寝室になどとなった。狭い家で部屋を切り換えて使っていた。
複数の仕事が同時に異なる仕事ができるコンピュータ パソコンは同時には一人しか仕事は出来ないのだが(バッジ処理という)、複数の人が同時に異なる仕事をするコンピュータもある(リアルタイム処理という)。 家で言えば、複数の異なる機能部屋で、複数の人が異なる仕事を同時にしているものである。

では、要素やその他説明に入ろう
要素 説明
CPU CPUは自動車のエンジンのようなもの、Dualという2台エンジンのもの、Quadと言う4台エンジンのもの、それ以上のものもある。エンジン数は馬力増で処理スピードが向上する。馬力を増やすにはエンジン数と回転数がある。エンジンの回転数とも言うべきCPUのclock speedと言うものがある。clock speedが速いのはエンジンの回転数が速いと言えるだろう。ただ、Dualだから2倍の処理能力と単純に考えることは出来ない。プログラムが並列に処理できるように出来ていなかったり、ある種のデータなど並列には処理できずシーケンシャルになるものなどは出来ないからである。条件が揃ったときに最大で何倍と言えるだろう。
CPU自身も内部で並列の処理をしている。処理出来る並列ビット数は今や32や64ビットが主流だが、昔は4などという時代もあった。clockは今はギガだが数十メガ(今の1/10以下)の時代もあった。ある並列の一つの処理をしようとしたとき、ある時間後に並列の結果が出揃う。それまでは過渡的な状態である。結果が出揃うタイミングというものを待たなければならない。複数の人で分担して仕事をしているとき次のステップに入るためにはすべての人の終了を待たなければならない。これがclock speedで歩調合わせタイミングゲートと言えるだろう。最先端のものは2GHzなどであるから、2x1/10^9で5億分の1秒である。1つの演算が終了する速度である。
RAMとBUS 車はエンジンだけ強力でも駄目で、動力伝達機構やボディーや足回りが頑丈でなければ駄目である。CPUは演算部というもので、どのようなデータでどのような命令を実行するのかと言う情報を得なければならない。この情報を得る部分がRAM(Random Access Memory)に入っている(プログラムやデータが入っている)。またCPUとRAM間はバス(bus)という線でつながれているから、RAMの読み書きスピードやバスの伝送速度も、CPUと同レベルに速くなければならない。RAMやbusが遅くてはCPUが待つことになってしまう。そんなことで、CPU、RAM、busは皆ICである。ICは電源が切れると一般的には消えてしまうものである。
RAMは、こんなイメージでの理解はどうだろう。碁盤の目のように行と列で配列されたマス目に情報を置き、情報の位置を行と列で管理する。こうすれば情報には直ちにアクセスできる。
HDD ところがICは高いし規模に限界がある。そこでHDDという機械的に読み書きする磁気記憶型の記憶装置が使われる。機械式だから読み書きのスピードはRAMと比較すると、何桁違いに遅い。HDDはHard Disc Driveと言い、磁気記憶方式、低速読み書き、電源が切れても消えない、大容量、などの特長を持つ記憶装置である。最近はIC(Solid State Drive)のものもあるのだが、規模も小さく高い。
RAMとHDD RAMはあれを出そうと思ったら即出し入れできる高速倉庫と言えるだろう。一方、HDDは遅い荷出し倉庫(空港の到着便の荷物の受取のように、一列で流れで出て来て、自分のものが出てくるまで待たされる)のようなものである(RAMは指定したものがポンと瞬間的に出てくる倉庫)
CPUの周辺には、その他にもRAMがある。Cash、Video用のものである。Cashは本来RAMから詠み出す命令やデータの一部分を一時的に格納し、CPUとやりとり専用にすることによりCPUのより効率的な作動のために設置されている。
外付けのものや差し込み式のものは別として、コンピュータ内部にはその他にも記憶部分がある。 cash(キャッシュ)memoryと言うものがある。RAMとの情報の授受、遅い周辺装置との情報授受など機械的なことでCPUが仕事待ちさせられてのでは、働き人であるCPUに空白時間ができてしまう。機械的なことだから勝手にやっておいて欲しい場合がある。そんなときに、このメモリーが働く。 VRAMというものがある。ディスプレイへの情報表示などはゲームでもやっていればともかく、通常の仕事では少しずつ変わる半固定的とも言うべき表示が行われている。こんなことでCPUが働いていては肝心のことへの仕事が遅くなってしまう。そのためにVideo RAMが設置され、変化がない間はこのRAMが表示の助けをし、CPUの拘束を防止している。
最適化 ファイルの「最適化」と言うものがある。HDDにはプログラムもデータもすべてが格納されている。格納の論理は知らないが、何かの論理があるはずである。それはOSがやっている。新しいパソコンを買ってきた瞬間は、綺麗にプログラムなどが整然と納められていて、データは存在しないだろう。ところが、パソコンを使い続けるにつれ、データは増え、プログラムも増え、またプログラムの更新も度重なる。いちいち整然と格納している暇はないから、空いている適当なところに追加プログラム・更新プログラム・データなどを格納して行く。そうなると、一つのプログラムでもデータでも、分割されて複数のあそこのトラックのあそこのセクターに納められてしまう。そうなると、コンピュータの立ち上げ時、アプリケーションソフトウェアの立ち上げ時、データの読み取り時など、あちこちから関連のものをかき集めなければならなくなる。整理されていない倉庫のような、遅い上に更に整理されていないHDDからのかき集めとなるので時間は益々かかる。こんなことを防止するために「最適化」と言って、ファイルを整理する機能がある。windowXPの場合には、操作者が指定して行わなければならないのだが、vistaからは設定しておけば時々自動的にやってくれるようになっている。Macの場合は、以前は別途購入ソフト中にあったのだが、今は不明であるが、ソフトの更新を行った時にある程度の最適化を実施しているようである。
HDDのバックアップ HDD(Hard Disc)は、機械的・磁気的な記憶装置であり、記憶量は極めて大きいが、読み書きする速度はRAMと比較すると極めて低速である。円盤上に複数のシリンダー(600)があり、各々のシリンダーは複数のトラック(30)よりなっており、1トラックの記憶容量は20,000バイトなどである(この場合600X30X20000=360MBとなる)。更に、トラックはセクターという分割からなっている(40分割など)、1セクタ当たりの記憶容量を512バイトとすれば約20Kバイトとなる。回転数は毎分5400や7200などである。こちらの方はこんなイメージでの理解はどうだろう。陸上競技場を思い浮かべて欲しい。トラックがある。第×コーナーなどの区間がある。陸上競技の場合のトラックには直線部分がある。HDDは直線部分はなく全部円、シリンダーという複数トラックをまとめたもの(30トラック)が数百(600)、コーナーに相当するセクター(40)と言うものも数が多い。情報はトラックとセクターで管理される。ランナーは一人であり、走る方向も決まっている。情報を得ようとすると、どこのトラックのどこのセクターにある情報なのかを把握し、そのトラックだけにランナーを走らせる。ランナーがトラックに出るコーナー位置は不特定であるので、ほぼ1周しないと該当のセクターに到達しない場合がある。情報に到達すると、それを読み取り、伝達する。こんな事を機械的・磁気的に処理している。機械的だからHDDは可動部分を持っていて、機械的な劣化をする。だから、機械的寿命があり、激しくHDDを使う場合は2〜3年などと言う場合がある。こんなことで、HDDはバックアップしておかないと大変なことになる。破壊すると血の気が引く。コンピュータの買い換えはお金で済むのだが、情報の場合はなくなってしまい、再生ができず取り返しがつかない場合があるからである。情報の価値はお金では計れない場合がある。タワー型パソコンの場合には複数のHDD搭載可能なものがある。大きくなるがバックアップを内部で出来て安全である。
RAM人間と
ROM人間
この言葉が技術者同士で流行った時代があった。人間の脳には、脳細胞と脳神経がある。脳細胞は記憶である。寝ても消えないから、こんな点ではROMと違う。脳神経は脳細胞間に張り回っている神経である。この網状に張り回っている神経の細胞間の情報伝達で判断などが行われる。情報技術者の間で、彼奴はRAMだとか、彼奴はROM(Read Only Memory)だとからかわれて言われる人が居る。前者は「(回転は速いが)すぐ忘れる人」、後者は「覚えるだけの人(創造性ない人)」である。