DVDレコーダというもの

 私自身の使用経過を示してみよう。ただ、下記は多くの推測交えのものである。どれだけ正確かは私にもわからない。
しかし、一読いただくと利用の早道になるかも知れない。理屈がわかれば推測も容易になる。

  1. 私のパソコン歴は40歳くらいの1980年位からであり、すでに「データ用のDVD-R」を利用している環境にあった。また、電気通信の技術者であったと言う過去から、普通の人よりは機械に近いところに居た環境にある。
  2. 2005年頃前期高齢者入り直前に、DVD recorderを買ってきた。「もうVHS時代ではない」という単純な理由からである。当初購入したものはVHSとの一体型である。持っていたVHS tapeをどんどんとVideo方式でdiscに移行し、tapeを廃棄した。移行には録画時間と同じ時間がかかるのでちょっと大変だったが、おかげで保管場所が少なくて済むようになった。この効果は大きかった。
  3. ディジタルテレビは買っていず、DVD recorderのチューナを利用してディジタル放送を見ていた。ディジタル放送は気になっていて、テレビの買い換え前に「ディジタル放送のしくみ」と言うような本を買ってきて一読した。技術者魂から中身を知らず機械的に使うことに納得できないからである。
  4. 使い始めて数ヶ月間は、録画したディジタル放送を見るだけだったが、DVD discでも保存したくなり、CPRM対応のdiscを使いはじめることになった。
  5. discの種類がいろいろあることは知っていたが、わけがわからないので、今度は「discの本」を買ってきて一読した。こんなことでDVD-Rなどのデータ用とCPRM対応との違いが概略わかった。
  6. CPRM対応のDVD-Rを買ってきて、discに放送をダビングしようとしたが出来ない。面倒になり1年ほど放置してしまったのだが、知人から放送のダビングを依頼され仕方なくまた調べはじめた。
  7. ここで、VR方式(放送用でdiscをVR方式でinitializeしないと記録できない)とVideo方式(一般のメディア用でfinalizeしないと他のDVD recorderで見ることが出来ない場合がある)の違いを知った。説明書の片隅だけに書いてあったので、発見できなかったのだ。こんなことは誰でも目に付く場所に大きく書いておいて欲しい。
  8. これ以前に、Video方式(を具体的には知らなかったが)の一般のメディアのdiscは、パソコンでdisc内のファイルを見ることが出来、それを一旦パソコンのHDDにコピーし、今度はHDDから新しいDVD-Rにコピーすればディスクが複製できることは知っていたが、これが擬似的な複製で、通常のDVD recorderでは見ることが出来ないことを知った。出来ない理由は、エリア番号などの問題だろうと推察している。
  9. こんなことで、知った以降は人に提供するvideo方式のdiscはパソコン複製をやめて、DVD recorder複製で提供することにしていた。勿論、提供できるものは個人的な映像などのコピー防止などのないものに限ってのことである。
  10. データ用とCPRM対応のdiscの具体的な違いも益々気になってきた。この読み書きにはDVDのドライブが使われるが、このドライブにもハードウェア的な違いがあるらしい。CPRM用には追加されたトラックを読み書きする機能を持ったものが必要らしいこともわかってきた。
  11. ダビングでdiscを使い始めると、すぐにこんな事が気になってきた、
  12. こんなことで「やっと大体わかった」という感じになってきた。説明書も滅多に見なくなった。使いながら、暇なときの勉強や追求なので、こんな感じなるのに69歳までの4年ほどを要した。
  13. 使用当初は「説明書不親切」と思っていた感じも「家電の機器の中でこれ程複雑なものはない、これは普通の人は機械的に使うしか方法がない、細かく書いたらいろいろな分野の準専門レベルになる、そこまで書いても読めないし余程の興味がない人以外は読まない、メーカの説明書は適性」と思うようになった。
  14. この間こんなこともあった。DVD recorderの理解の難しさに気付いたときに、知り合いで少々年長の電器商に「わかるのか」と聞いたら「全然駄目、息子任せ、売れたのは有り難いが(老人相手だと)後が大変、電気屋泣かせ」と返ってきた。別の若い電器商は「販売して数ヶ月して、操作の問合せが来たので行ってみたら、自分がセットしたときの状態から何もしていなかった」「録画できなくなったと言うので行ってみたらHDD一杯、消すことを知らなかった」なども聞いた。電器商でも、細かくわかる人は少ないだろう。
  15. 最近はVHSのテープなどなくなってきた。それで、事業で使っている会場の使用者が操作するVHS機器をDVD recorderに置き換えた。使用者が「使っている」と言うので、使っていただくと、90%の人は、ダビングなどの基本や細かい点がわかっていないので操作できない。「教える」でも駄目で「(ダビングなどの時に)代わりに操作する」のような仕事が増えてしまった。困ったことであるが仕方がない。
  16. こんな記述を開始したのは「少しでも理解している人が増えれば、使う人のガイド」と言う目的のためであるのだが、これすら難しいものである。
《こんなものがある》 こんな経過をお読みいただくと、自分の可能な領域というものがある程度おわかりになるだろう。更に下記に目通しいただければ、何かの操作時に失敗や試行錯誤は減るかも知れない。

タイトル 推 薦 記 事
使い始めの人に
  1. CPRM対応の4.7GBのdiscを20枚ほど買ってこよう。他に目を行かせる必要はない。50枚などケース別で両方を買えば、両方でも3000円以下である。どうせ、多量に消費する。
  2. 説明書の目次だけ眺めるのではなく、説明書を最初から最後までサインペン片手にめくり、どんなことが書かれているのかという「説明書の目次」をざっと頭に入れると同時に、気になったところ・後で見る可能性があるポイントに印を付けよう。
  3. DVD recorderの初期設定(説明書参照)をしよう。
  4. その後、放送の録画テストをやってみよう。ディジタル放送(地デジかBS)をHDDに録画してみよう。出来れば1時間番組などがよいだろう。
  5. 録画終了したら、買ってある「CPRM対応のdisc」をドライブに入れよう。
  6. 入れて機器が受け付けてくれるのを待って、操作メニューから「VR方式でのdiscの初期化を行おう」。ただし、discの初期化と(3)の初期設定は全然違うものである。
  7. 初期化が終了したら、録画したものをHDDからdiscにダビングしてみよう。
  8. 1時間放送ならば録画量は4.7GBを超えるだろうから、圧縮するか(容量オーバーなので映像を荒くしてdiscに納まるようにするか、など)と機器が聞いてくるのでYesにし、ダビングしてみよう。
  9. ダビングされたdiscを再生して見てみよう。
  10. 今の最新機器はダビング10と言って、一度ダビングしてもまだHDDに情報が残っているから、HDDに残っているものを再生して見てみよう。
  11. これで、元の画質との差が感覚的に多少はわかるはずである。
  12. さらに、ここまでで録画ダビングには多少慣れるはずである。
  13. アナログ放送をまだやっているなら、これも録画してみよう。前述のVR方式やVideo方式(initializeは不用だがfinalizeは必要)でも録画出来ることがわかるだろう。
  14. アナログ放送が終わってしまっていたら、誰かが持っているアナログ放送やコピー防止がないvideo方式のdiscを借りてきて、やってみよう。
  15. 機器慣れしていない99%の人がそうなのだが、操作が先に進まないと「機械がおかしい」という感覚で「おかしい」と言う、そんな場合は、自分の知識が足りない感覚で「おかしい」と思おう。そうしないと進歩はない。量産機器では「初心者が機械がおかしい」と思うような問題はほとんどない。
様々なdisc 大きくは
・HD系
・ブルーレイ系(Blu-ray)
がある。通常の利用はHD DVD-Rで十分、最も廉価なものは-Rである。
・-R,+R(使い捨て)
・data用、CPRM対応
・DL(二層で2倍の容量がある)
・-RW,+RW(何回も読み書き可能)
こんな組み合わせで何十種類となる。
相手にdiscを渡すには VR・Video方式のどちらがよいか聞いた方がよい。 でも、渡す人も多数、相手もVR・Video方式(と言う言葉も)を知らず、キョトンとするから面倒でもある。
「貴方はDVD recorderで見ますか、パソコンで見ますか」という聞き方の方がわかりやすそうである。
HDとblu-rayの違い Blu-ray dicsの方が容量が大きい。
・HD・・・4.7、DLは9.4GB
・BR・・・25、DLは50GB
青い光の方が波長が短く、密に情報記録ができる。HD系は技術競争に負け、発展を停止したのだが、Blu-rayの機種はdiscの読み書きに2種類のヘッドを持っており、HDとBRどちらのdiscでも使用できる。
複製にはDVD recorderを使うか、パソコンを使うか 極力DVD recorder使用を勧める パソコンでの複製は知識を必要とするので、正確な知識を持たない人はやめた方が良いだろう。
もらったdisc(コピー防止がないもの)を自分の機器のHDDに取り込む場合 VR方式か、Video方式かを見極める必要がある。見極め方だが、
DVD recorderに入れる場合だが、
・タイトルが通常の録画と同様に見ることが出来ればVR
・購入してきたDVD discのように画面が出てきて章などの指定操作可能ならばVideo、
と思えばよい。
パソコンに入れる場合は、
・ファイルを覗ければVideo、
・覗けなければVRである。
・VR方式のdiscのDVD recorderのHDDへの取り込みはリモコンなどで簡単、
・購入してきたVideoはコピー防止があり知識なしでは取り込み不可、
・私的映像などでもVideoの場合は、可能だが、ちょっと面倒である。
CPRM対応discと
data discの違い
・ディジタル放送録画だけはCPRM対応かつVR方式記録が必須、
・その他はdata discでもよい、
と思っておけばよい。
CPRMはdata用もカバーする、
disc使用量が少ない人はCPRM対応を買っておけばよい。
一旦discにダビングした録画をDVD recorderのHDDにダビング(戻せる)できるか ・ディジタル放送(BSを含む)のdiscは出来ない、
・アナログ放送や私的な映像のものは出来る、
出来るのは「コピー防止されていないから」である。
録画レベル

(ダビング速度の理解のために)
DVD recorderには「録画レベル」というものが設定できるようになっている。映像というものは大きな記憶容量を必要とする。画質を荒くすればその分記憶容量は減るので、必要に応じて記録時の記憶容量を調整出来るようになっている。
記憶量は三十数種類のレベル「MN1〜MN32,LPCM,XP+」に設定されている。数字の小さい方から記憶量は小さい。その内6つのレベルを「XP(MN32),SP(MN21),LP(MN9),EP(MN6),SLP(MN4),SEP(MN3)」のように対応させている。これらを指定して設定することができる。放送局から送られてくるものを、そのまま記録するのは「DR」である。directの意味だろう。
DVD recorderは左記のようないろいろな密度での記録や変換機能を持っている。変換機能はダビングなどでdisc容量に合わせた記録をしたいからだろう。しかし、変換は電子素子による高速処理を必要とするので、次項記述のダビング速度への影響となってくる。
HDDからdiscに書き込む場合、HDDに記録された情報量がdiscに収まりきれない場合は「圧縮するか」を聞いてくる。音の方は圧縮などはされないが、音声二重放送などは片側がカットされる場合があるので注意する必要がある。
ダビングの速度は、
・高速になるのか?
・等速になるのか?
・映像の変換(画質を変える)を伴うもの、その他の制御情報などで機械的にはダビング出来ない場合は等速となる。
・HDD→disc、disc→HDD両方向とも同様である。
映像は文書などに比較すれば大きなデータのものである。そのような大きなデータを一瞬に変換してdiscに書き込むのは高速処理が必要になり、家電などの一般機器ではコスト的に無理なのだろう。
アナログ放送と
ディジタル放送の違い
使用する周波数、周波数帯、変復調方式が違う。ディジタル放送は、変復調が違うからアナログ時代のゴーストはないが、見えるか見えないかになってしまう。
電波障害と言っても内容は違ってくる。
アナログ放送はVHF、FM
地上ディジタル放送はUHF、PSK
BSはもっと上の周波数帯を中間周波に、原理は地デジに同じ
放送からdiscに直接録画できるか 出来るのだが、HDDに録画し、ダビングすることが望ましい。 希にはdiscの不良などがあり、またdics一杯などで、途中で停止してしまうことがあるので、discへの直接録画は避けた方が良いだろう。
テレビやDVD recorderなどの機器間の接続 知識と慣れ次第と言えなくもない。 ・テレビの入出力端子もいろいろ複雑なものが出てきている。一般家庭でDVD recorder程度を接続するものは気にしなくて良いが、あれこれやる人は機種の入出力端子が便利なものがよいだろう。
・テレビチューナ内蔵でパソコンのdisplayを共用できるものもある。
・TVとDVD recorderが同じメーカの場合、双方の操作が一体になっていて便利である。
・上述のようなことを、総合的に頭に置きながらdiscの選択をしたり、操作しなければならないのでDVD recorderはなかなか取っつき難い。
・新しい機器を購入したり、新しいソフトウェアを購入したりの時に、私は数時間説明書をぱらぱらめくり「どんな機能があるのか、どこに書いてあったのか」などマークペンを持ちながらチェックする。これが一番の早道だからである。DVD recorderはパソコン以下とちょっとなめた嫌いがある。それが一部だが遠回りの原因にもなっている。